一般質問を行いました
あらためて、一般質問は、議員が市の一般事務に対してその執行状況、将来の方針、政策的提言などを執行者に直接質すことです。12月議会の質問時間は、新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう議会対応のため、通常より10分短縮され30分で行われました。
今回は「ごみ減量化に向けた取り組みについて」「認知症対策について」の2項目を取り上げました。
【ごみ減量化に向けた取り組みについて】
2020年11月に環境省より公開された平成30年度一般廃棄物処理事業実態調査の結果によると、芦屋市は1人1日当たりの生活系ごみの排出量は717グラムで兵庫県内41市町中40位のワースト2位、また生活系ごみと事業系ごみを合わせると1人1日当たり988ラムで41市町中36位のワースト6位となりました。
質問①
1人1日当たりのごみの排出量が兵庫県内において高い値を示している現状について、どのように受け止め検証をされてきたのか。市民への啓発について問う。
回答:これまでも分別の徹底を啓発してきた。今年度から「次期ごみ処理基本計画」の策定作業を進めており、その中で現状を検証し、効率的な方策を実施していく。
質問②
食品ロスの削減に向けた芦屋市の取り組みについて、どのように進められているのかを問う。
回答:福祉の観点から関係機関と協力してフードドライブを推進している。
質問③
小中学校における食品ロス削減に向けての教育について問う。
回答:社会科で今後の食料生産を考える学習、家庭科で食品の廃棄とごみの減量を扱う学習を、給食指導では、残飯ゼロに向け食の大切さについて意識を高める取り組みを行っている。
〈私の考え〉
ごみ減量推進施策で、もはや避けて通れないのが生ごみや食品廃棄物への対応です。平成28年度、日本では約2,759万tもの食品廃棄物等が発生し、そのうち食品ロスは、約643万tと推計されました。これは、1人当たりに換算すると、年間約51kgとなります。この大量な食品ロスが発生することによる影響は大きく、食品ロスを含めたごみ処理に多額のコストを要すること、可燃ごみとして燃やすことによるCO2排出、また焼却後の灰の埋め立て等による環境負荷の問題が懸念されています。
これら食品ロスの問題は、餓飢ゼロを掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットの1つとして、日本、そして世界が一丸となって解決すべき課題となっており、そこには2030年までに世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれています。食品ロスを減らす運動の広がりは、世界の飢餓や地球温暖化などの環境問題とも深く関わるため、その状況を理解し、意識をもつことは極めて重要です。
ごみ減量化については、個々の問題として減量目標を捉えて頂くために、数値目標だけでなく、何のために減量しなければいけないのか、その根拠を明確に示すなど、ごみ減量化に向けての情報発信を全世代の方に向けて、わかりやすく、しかも印象に残るように行う方法を検討すべきであると考えます。
【認知症対策について】
わが国における認知症高齢者数は、高齢化とともに増加しており、2025年には約700万人、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれています。更に、2040年には高齢者の約4人に1人の割合にまで増えることが予測されており、高齢化社会における深刻な健康課題となっています。
これまでの認知症対策を振り返ると、2015年より厚生労働省が新オレンジプランを掲げ、認知症についての理解を深めることを推進し、認知症を含む高齢者が住みやすい社会になるよう進められてきました。その後、その後継プランとして、2019年6月、新たに「認知症施策推進大綱」を取りまとめました。この大綱は、従来の施策で重視されていた「共生」に「予防」を加え、車の両輪としています。
質問①
認知症施策推進大綱に向けて総合的な取り組みが求められる流れの中で、芦屋市における認知症対策の取り組みの現状を問う。
回答:第8次芦屋すこやか長寿プラン21に基づき、認知症に関する正しい知識の普及・啓発や家族の支援の充実に取り組んでいる。引き続き、国の認知症施策推進大綱も踏まえ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会の実現に向けて取り組んでいく。
質問②
認知症初期集中支援チームについての取り組みは、市民への周知は十分に行われているのか。さらなる存在の普及・啓発が必要ではないか。認知症初期集中支援チームの取組みについて、今までの実績と現状を問う。
回答:昨年度末までに18人の対象者に対し延べ175回の訪問を行い、関係機関と連携し、医療や介護保険サービスの利用支援に取り組んでいる。チラシ等で周知しているが、潜在的な対象者の早期発見が重要になるため、積極的な活用に向け、更なる周知・啓発に努める。
〈私の考え〉
介護予防やフレイル対策に積極的に取組む高齢者が増えることは、高齢者自身の QOL (生活の質)の向上に資するだけでなく、結果的には介護保険給付費の伸びを抑制することにもつながるでしょう。在宅時間が長くなると認知機能の低下を招くとの報告もあり、新型コロナウイルス対策で外出自粛が続くなか、認知症高齢者への影響が懸念されています。
誰もが希望を持って日々を過ごせるよう、大綱で掲げられたこの方向性を見失わず、それを合言葉にしながら、あらゆる施策や事業が進められることを期待します。