会派視察「戸別収集等のごみ施策について」
視察2日目は東京都武蔵野市に移動し、「戸別収集等のごみ施策について」の視察でした。
武蔵野市では平成16年10月より路上などに設けられたごみ集積所(ステーション)によるごみ収集を廃止し、
市内全域で「ごみの戸別収集」を行っています。
それまで、ごみ集積所(ステーション)は地域住民のかたのコミュニティの場であるという反面、
利用するかた同士のトラブル、カラス・猫等による被害、
ごみ集積場の管理が一部の方に集中する等の問題がありました。
多くの市民のかたから、ごみ集積所(ステーション)における問題を解決して欲しいとの要望が寄せられた結果、
ひとり一人が出す自分のごみに責任を持つことを目指し、
建物ごとの敷地内にごみ出しの場所を設ける「ごみの戸別収集」を実施することになったそうです。
期待される効果としては、ごみの排出者が明確になりルール違反のごみが減少する、
ごみ置き場をめぐるトラブルが減少する、
「ステーションに出したら終わり」だったごみに対する意識が変わることなどが挙げられています。
その結果、敷地内にごみの置き場所が設定されたことで、
路上にごみが山のように置かれる光景が無くなり、まちの美観が大変向上したとのことです。
行政としては、戸別収集への移行にあたり市職員が対象地域を一軒一軒訪問し、
戸別収集の趣旨や目的を説明。
住民と相談のうえ、建物ごとの敷地内にごみ置場を設定し、管理体制の確認なども行っています。
なお、既に敷地内にごみ置場のある集合住宅には、告知ビラの配布のみとしています。
近年、家庭ごみの収集方法について、戸別収集を導入する自治体が増加していますが、
導入により、ごみステーションにおけるトラブルの解消や不法投棄などの問題解消が図れています。
家庭ごみの有料化を実施し、ごみ処理費用の一部を手数料として負担していただくことは、
ごみの発生抑制にもつながるでしょう。
さらに費用負担の公平性も確保でき、今まで以上にごみの減量に対する意識が高まると考えられます。
しかしながら、狭隘道路が多い場合には、収集に手間がかかりコスト面での問題が生じるので、
地域に合わせた収集方式を模索していく必要もあるのではないでしょうか。
本市には、ごみ収集のパイプライン施設の存廃問題やごみ処理施設の広域化についての課題もありますが、
戸別収集に関しても今後、市民サービスの向上に向けて検討すべき課題であると思いました。