本会議最終日 イレギュラーな最終日になりました
本会議最終日は、通常通り全ての議案、請願に対する各常任委員長の報告、討論、採決の流れで進められましたが、最後に市長より、JR芦屋駅南地区の再開発事業に関して、事業継続に必要な予算案の審議をやり直す再議の請求がなされました。
再議とは地方自治法に定められており、議会が可決した議案に対し示される市長による拒否権のことです。発動されたのは、令和2年3月に引き続き2回目です。ここであらためて12月議会におけるJR芦屋駅南地区再開発関連の流れを振り返ってみます。
〈市議会の流れ〉
12/11 芦屋市は再開発事業費の総事業費を166億5千万円(うち市負担額99億円)を示していたが、新たに用地取得費や補償金など約7億7千万円を盛り込んだ特別会計補正予算案を提出、審査を行う
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再開発ビルを建設し、事業規模を縮小する市の予算案に対し、議員提案(再開発反対議員による)で用地取得費、補償金を差し引き約1億8千万円に減額する修正案を提出
修正案の提出理由
財政状況の悪化、地権者の根強い反発などを鑑み、再開発ビルは建設せず道幅を広げるなど、街路事業を主軸とした計画案の検討を要望 ↓
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賛成多数で修正案が可決される
12/18 可決された修正案に対し、市長により再議が発動される
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賛成議員は、議員数21人のうち12人につき、修正案は否決となる
(再議にかけられた議案の可決には、議員の2/3の賛成が必要であるため)
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原案の議決も行われ、否決となる
〈私の考え〉
まず、市が直面する人口減少や超高齢化による急速な社会保障費の増大という厳しい見通しの財政が、この巨額な投資を用いる再開発事業に本当に耐えうるのか、将来にわたり大きな負担を残してしまうのではないかという、以前より指摘されてきた問題があります。
さらに、昨年とは大きく異なり、コロナ禍のために社会情勢が大きなうねりとなって変動しているなか、財政的に右肩上がりの発想で、この再開発に臨んでいることへの危機感を覚えます。
このうねりを敏に捉え、将来に負担を残さない、よりよい決断をすることが重要であると考えます。
市は「駅舎と再開発ビルを結ぶペデストリアンデッキや駐輪場の縮小」の見直しは図ったものの、「再開発ビルやロータリー」にこだわっています。再開発ビルについては、「にぎわい創出や経済の起爆剤」としていますが、財政投資に比べて具体策や効果が明確に示されておらず、希薄さが感じられます。
また今なお一部の地権者の方々から根強い反対の意見が上がっていることにも問題を感じます。
長期的な視野で財政問題を考え、街路事業を主軸とした現実的なプランの見直しをも含めた再考を要望します。