芦屋ハイランド特別講演会に出席しました。
今日は、大阪ガス奥池ロッジの大研修室にて、西宮自然保護協会会長の能登康夫氏による「いもり谷・いもり池の自然」についての講演会が開催され、出席しました。
いもり谷は奥池貯水池からゴロゴロ岳に向かう途中にある小さな湿原です。そこから東方面に歩いていくとフェンスで囲まれた小さな池、通称「いもり池」があり、1万年余前の氷河期の生き残り植物といわれる、サギスゲが生育しています。いもり池には冷たくてきれいな水が流れ込んでいるため、サギスゲが生き残ることができたようです。
6月の初めにいもり池を訪れると、池一面に真っ白に咲いたサギスゲが見られること、また他にも多様な植物が生育していることを知りました。
現在、いもり谷・いもり池はどちらも私有地につき、立ち入りはできませんが、フェンスで保護されてきたおかげで他にも珍しい生物を見ることができます。
サギスゲの保全についての今後の課題は、流れこむ土砂や落ち葉からの保護、イノシシの侵入防止フェンスの維持管理、日照を妨げる常緑樹の伐採などです。
芦屋市は阪神間の都市部に位置しながらも、六甲山から芦屋川、そして海へと連なる多様な自然環境を有しています。その中でも特にいもり谷・いもり池周辺は、珍しい生物を見ることができる、貴重な場所であることをあらためて認識しました。
今後、この緑豊かな自然に恵まれた環境を楽しみ、守り、育てて将来世代に引き継ぐには、適切な保全策を施していくことが重要であり、加えて、行政をはじめ研究に携わる方との情報共有も欠かせない要素になるでしょう。
今年もサギスゲの開花を楽しみに、訪れたいと思います。