12月議会での一般質問を終えて
12月議会も、各常任委員会の審査と18名の議員による一般質問が終わりました。この12月議会では、「市民と行政を結ぶ合意形成の新たな取り組みについて」、「災害時のペットとの避難について」の2つの項目を取り上げました。
「市民と行政を結ぶ合意形成の新たな取り組みについて」
現在、「第5次総合計画後期基本計画」の策定が進められる中、市民委員の選定に際しては事前にレポートを提出していただいたところ、多くの貴重な意見や思いが寄せられました。選定された市民委員4名のうち、2名は学生であり、まちづくりにおける多様な視点が反映される仕組みを具現化しているといえます。
約40名の応募者から寄せられたご意見は、芦屋のまちづくりに対する市民の関心の高さを示しています。このような幅広い市民の声を反映しながら、持続可能な市政の実現を図ることが重要です。将来のまちの姿を市民と共有し、多くの意見をどのように受け止め、反映していくのか、改めて市の考えを伺いました。
<質問①>現在策定が進められている「第5次総合計画後期基本計画」において、大学生を含む市民との協働を掲げ、市民意見を反映したまちづくりを推進する方針が示されています。この取り組みの現況および進捗状況について伺います。
<答弁>第5総合計画、後期基本計画については、現在、庁内での計画内容を検討するとともに、17人の委員で構成する総合計画審議会において審議を行っています。計画に市民の皆様の意見を取り入れるため、今年10月に無作為に抽出した市民3,000人を対象とする意識調査を行ったほか、包括連携協定を締結している3大学に協力いただき、大学生に対するアンケートを実施。いただいたご意見については現在集約中である。計画策定の経過に合わせて、対話集会やパブリックコメントなどを実施するほか、多様な市民の意見を市政に反映するため、ワークショップや市政モニターの活用、Eメール等で寄せられる市民の声など様々な手法を用いてより広く意見をお聞きするよう努めている。市民の声を市政に反映させる事は、政策の質向上に加え、市民との信頼関係構築の観点からも重要であると考える。
<質問②>近年では鎌倉市をはじめ、オンラインによる市民参加型合意形成プラットフォームを活用する自治体が増加しており、これにより市民意見を政策形成に活かす仕組みが注目されています。本市においてもデジタル技術を活用し、多様な市民意見を政策形成過程に反映させる仕組みの導入を提案しますが、市の見解を問う。
<答弁>オンラインによるプラットフォームを導入し、市民意見の活性化に取り組んでいる自治体もあるため、本市における効果的な手法について先進事例を参考に引き続き研究していく。
「災害時のペットとの避難について」
本市では、災害時におけるペットとの避難対策が進められています。ペットを連れて避難所まで行く「同行避難」は認められていますが、避難所内で飼い主とペットが一緒に過ごす「同伴避難」は認められていません。多くの市民にとってペットは家族の一員であり、避難の際の大きな課題となっています。地域全体が安心して避難生活を送るためには、ペットを飼う方と他の避難者が共存できる環境づくりが必要です。本市としては、受け入れ体制を充実させ、避難所運営のガイドラインを整備し、市民が安心して避難できる仕組みを構築することが重要だと考えています。
<質問①>ペットの同行避難や同伴避難について市の考えを伺います。
<答弁>ペット「同行避難」とは、災害時にペットとともに安全な場所まで避難する行動のこと、「同伴避難」とは、避難所において避難所と同室でペットを飼養管理することと考えている。本市では住居の安全確認された場合は、在宅避難を避難が必要な場合は同行避難を推奨している。
<質問②>ペット同行避難の課題をどのように捉えているのか伺います。
<答弁>同行避難の課題は、受け入れできる避難所の周知や「同伴避難」との違いの理解が進んでいないこと、避難所におけるペットの具体的な管理方法が定まっていないことと考えており、今後、周知や訓練を通じて課題解決に努めていく。
<質問③>避難所となる各学校園において、同行避難のための十分な避難スペースは確保されるのか、お伺いします。
<答弁>避難所のスペース確保については、各学校園で施設状況に差があり、すべてのペットを受け入れるスペースの確保は難しいため、住居の安全が確認された際は在宅避難をしていただきたいと考えている。
<質問④>獣医師会との支援体制を整えることが必要ではないでしょうか。見解を伺います。
<答弁> 支援体制の整備については現在兵庫県が兵庫県獣医師会等と災害時における動物救護活動に関する協定を締結しており、本誌も支援を受けられる体制にある。今後はより実効性の高い支援体制の構築に向けて関係団体等と協議していく。